大庵にて「お帰り寅さん」のことをつらつらと。
公開されてすぐに観に行った「男はつらいよ お帰り寅さん」。
新宿ピカデリー(やっぱり寅さんは旧新宿松竹で観なくちゃ)の後は「大庵」にて。
この時代に正月映画として寅さんの新作が観られるなんて、まさかあるとは思っていなかった。
まずはこの映画を推進してくれた松竹と山田洋次監督に感謝。
以下、ネタバレを防ぎながらつらつらと感想を。
物語は現在の日本。小説家になった寅さんの甥の満男(吉岡秀隆)と、満男の初恋の人・泉(後藤久美子)の再会を軸に話は進みます。
泉役の後藤久美子は24年ぶりの女優復帰。最初はさすがに歳を取ったかなと思いましたが、たくさん挿入される過去作のシーンと現在のゴクミを見比べているうちに段々目に馴染んできました。
やっぱり美人です。
棒読みっぽいセリフ回しも懐かしい(笑)。
車屋に集う面々(みな当然歳を重ねています)をスクリーンで観ていると、しばらく会わなかった親戚の家に来ているような気分。
タコ社長を演じた太宰久雄さんは亡くなっているので当然出演は無いのですが、代わりに娘の朱美(美保純)が出ています。
過去7作に登場した朱美。現代っ子で軽妙、優しさも持ち合わせたキャラクターと再び会えると期待していました。
今作ではタコ社長のキャラクターを割り振られた感があり、ちょっと単純すぎる性格の持ち主となっていてちょっと残念。
リリー(浅丘ルリ子)が登場するのも嬉しい。
男はつらいよシリーズの最も印象的なマドンナと言えば、リリーを上げる人が多いでしょう。
リリーを新作でもう一度観れるとは思わなかった。
過去作の名シーンがたくさん挿入されるのですが、映像がとても綺麗。
松竹が4Kデジタルでの修復を進めたそうで、その恩恵でしょうか。
過去作のすべてのマドンナが、その美しい画面で次々と登場するのが圧巻です。
まさに“男はつらいよ版・ニューシネマパラダイス”。
マドンナたちも、故人が多いんですよね。
ネットで座席の事前購入をした際は空席が目だっており、さすがの男はつらいよでも今の時代では興行的には厳しいのかと思っていたのですが・・・。
いざ当日になるとほぼ席が埋まっていました。そこで気づいたのは年齢層。
やはり高齢者が多く、彼らはネットで予約はしないんですね。当日、映画館の窓口でチケットを買う人が多いのでしょう。
その証拠に1月6日に発表された興行成績では、アナ雪2とスター・ウォーズに次ぐ堂々の第3位でした。
さて、誰もが気になるであろう、寅さんである渥美清の登場シーンですが・・・。
多分こうだろうなと思っていた通りの作られ方でした。
それは本篇を見てのお楽しみに。
「男はつらいよ お帰り寅さん」、盆と正月に毎回映画館で寅さんを観ていた自分にとっては、もう一度観たいと思わせる良い映画でしたね。
新宿ピカデリーでの終映のとき、数人の観客から拍手がおきていました。便乗して地酒星人も拍手に加わりました。
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