登山で地酒

2023/09/15

常念山脈縦走を目指す・・・しかし、途中で断念。

長年の念願だった常念山脈縦走。

蝶ヶ岳から常念岳、そして大天井岳から燕岳への4座縦走が目標です。

松本へ前泊し、早朝にバスターミナルから上高地を目指します。

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しかし、昨日からなんとなく体調が優れず。

なんとかなるだとう、とこの時点では思っていました。

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河童橋へ着。穂高の山々へご挨拶。

徳澤へ向け、歩き出します。

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二時間ほど歩いて徳澤園に着きました。

しかし、なんとなく体が重いんだよなー。

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そんなに空腹は感じていないのですが、これからの登りを考えカロリー摂取を。

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うどんが終了していて、カレーにしました。

さて、気を取り直して蝶ヶ岳への登りです。コースタイムは約4時間半。

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ひたすら登りが続く樹林帯の道。

ジグザグと高度を稼ぎますが、行けども行けども延々と登りが・・・。

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どうも胃腸の調子がよくない。昨年も登ったコースですが、こんなにきつかったかな。

やはり体調のせいなんだろな、と思いつつ。

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やっとこ登って穂高の山々とご対面。

しんどかったー。平均コースタイムをオーバー。

自分としてはかなり遅い。

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テントの場所があまり残っておらず、なんとか端っこに隙間を見つけて張りました。

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胃腸の調子は良くないけれど、食べなければ山は登れません。

このジレンマ。

胃腸薬を飲みつつ、食事をかき込みます。

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翌朝。安曇野方面の朝焼けです。

朝、早速腹を下してしまいました。

だけど食べなければならぬと食事を胃に入れます。このジレンマ。

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穂高連峰のモルゲンロート。

美しい風景を見ながら(この時はまだ風景を愛でる余裕があった)、縦走路を常念岳へ向かいます。

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蝶槍を超えると下りになり、樹林帯へ突入。

木々の間から見える常念岳。

ホントにこの体調であそこまで登れるのか。と不安が募って来ます。

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やがて樹林帯を超え、コースはきつい登りへと。

大きい岩の連なる道。

かなり高度感のある箇所もあり、岩を掴みながらじりじりと登ります。

両手両足を使いながら大きな岩を乗り越えると、テント泊の重いザックが左右に振られるんです。これは怖い。

それを計算に入れつつ登らないと、転倒・滑落の危険が。

荷物を軽くしようと思いULザックにしていますが、ザックの体への密着度が甘く感じます。

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はるか先の常念岳山頂。

時折、腹痛が襲ってきますが、このコースに用を足せるような場所はない。

下手にコースを外れようものなら滑落・・・。

とにかく登るしかない。

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上の写真は小休止中に槍ヶ岳を撮ったもの。

槍ヶ岳を愛でる余裕は既になく、「快晴である。槍ヶ岳がくっきり見える。だからたぶん素晴らしい景色なんだろう。

だから写真を撮っておくと後で嬉しいだろう。」そんなことを機械的に頭の片隅で思いながら撮った写真です。

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やっと見えた常念岳山頂。

写真撮影の列ができていたので、山頂脇をすり抜けて下山路へ。

体調が悪いのと、自分がピークハンターではないことと両方ですかね。

(昨年、一度登っていますしね)

ここから常念小屋へ向けて下ります。

常念小屋の赤い屋根が見えてからが、長いんだよな〜。

なんとか常念小屋へ辿り着き、テントを張りました。

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腹の調子は悪いけれど、カロリー摂取と思い「常念うどん」を。

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とても良いお味でした。滋味だったなぁ〜。

習慣で一緒に頼んでしまったビール。

そしてこのビールが祟ったのか、その後何度かトイレに行く羽目に。

このあたりから考え始めました。明日はここから大天井岳を抜け、燕岳へ。

そこで燕山荘へ泊まる予定です(テント場は予約がいっぱいでした)。

果たしてこの体調で先へ進めるのか・・・。

しばらく考えた後に、燕山荘さんへ宿泊キャンセルの連絡を入れました。

明日は一ノ沢コースで下山します。

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持って来ていた正露丸をオーバードーズ気味に飲み、テントで数時間横に。

すると体調が戻って来ました。明日は下山だけという、縦走のプレッシャーからの解放も良かったのかもしれません。

ここで飲むのもどうかとは思いつつ、大雪渓カップをちびりちびり。

うん、お腹は大丈夫そうです。

トイレに起きることもなく、ゆっくりテントで眠れました。

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翌朝。さあ、一ノ沢へ下山です。

さらば常念岳、常念小屋。今度またここから縦走をスタートさせようと思いつつ・・・。

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一ノ沢コースは川沿いに高度を下げて行きます。

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こんな橋も数知れずあって、変化に富んだコース。

ただ、以前来た時よりも下山のスピードは上がらず、最後の方はへとへとに。

カロリーと水分摂取が足りないんだろうな。

やはり山は健康体で来るべきところですね。

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ようやく登山口が見えて来ました。

予約していたタクシーにもすぐに乗れ、穂高駅まで。

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やっと戻って来ました。

全身の緊張が溶けていく感じ・・・。

しかし、今回の山行は最後まで甘くなかった。

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特急あずさが満席。自由席はない為、デッキで立って過ごす事に。

下山後にこれはツライ・・・。

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気を取り直して、松本駅売店で購入した松本山雅バージョンの真澄カップを。

今回の教訓、「山は健康体で行くところ」。

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2023/09/04

北八ヶ岳・縞枯山!

すでに二度訪れたことのある北八ヶ岳ロープウェイ。

(一度は登山、もう一度はスキーで)

今回は愛車シエラ号にて。

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MT車で急勾配の山道を走るのは、やっぱり面白いですね♪

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早速ロープウェイの始発で出発。

この日は空気が澄んでいて、ロープウェイの窓から北アルプスもくっきり見えました。

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ザ・北アルプス・オールスター!

槍ヶ岳から連なる穂高連峰。大キレットはこの角度で見ると、本当に“大”だなぁ〜。

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さて、坪庭を通ってこの日は縞枯山へ。

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途中で前を通った縞枯山荘。かわいい三角の建物。

八ヶ岳の山小屋って、小規模でどことなくジブリっぽい。

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縞枯山山頂までは一時間ほどの登りなのですが、二千メートル級の山は久しぶりだったので結構疲れました。

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山の名称にもなっている、いわゆる縞枯現象の箇所。

シラビソの林に起きる現象で白く枯れた地域と通常の緑の地域が交互にあらわれ、

遠くからみると山が縞状の模様に見えます。

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山頂は周辺が木に囲まれていて景観は悪し。

少し離れた場所に展望台があるとの事で、向かってみます。

大きな岩が連なっていて、高所恐怖症の方はつらいかも。

この時は北アルプスには雲がかかってしまっていましたが、確かに展望は良いですね。

下山路は行きとは違うルートへ。

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マップにちゃんと載っている道なので心配していなかったのですが、

ところどころ踏み跡のハッキリしていない場所も多い。

スマホで方向確認しながら慎重に下りて行きました。

八ヶ岳って、こういう道が多いんだよな〜。油断できない。

40分ほどの道程で一人も行き合わず、熊鈴を忘れたことを激しく後悔。

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八ヶ岳らしい、苔とシダの生えた岩。でも連日の暑さで苔は少し弱り気味かも?

そんなこんなで無事下山。ランチにします。

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昨年、北横岳に来たときも食したパスタ。これ好きなんです。

今日はシエラ号なので、ノンアルコールビール。

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この日のおみやげはダイヤ菊「蓼科」。純米酒です。

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はじめは少し甘さが強い印象ですが、飲み進めていくうちに馴染んできます。

蓼科といえばダイヤ菊ですね〜。

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2023/03/07

北八ヶ岳でスキー!そしてダイヤ菊!

およそ30年ぶりくらいにスキー復帰を画策した地酒星人夫婦。

登山でいろいろ活用しているミレーでスキーウェアを新調し、これまた昨年登山で訪れたことのある「北八ヶ岳ロープウェイ」へやって来ました。

冬の間は「ピラタス蓼科スノーリゾート」というスキー場になっているんですね。

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ロープウェイ乗り場は結構な混雑。スキー・スノボのウェアを着た人と登山装備の人が半々くらい。

そうです、ここは八ヶ岳の冬季登山の入口にもなっているんです。

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自前の道具を揃えるのは来シーズンにして、今回は板とブーツはレンタルで。

おそるおそる滑り出しましたが、かつての感覚を多少取り戻すことが出来ました。

ただし現在のカービングスキーに慣れるのは少し時間が必要かも・・・。

どうしてもストレートスキーの感覚で操作してしまう。

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下部のゲレンデで足慣らしをした後はいよいよロープウェイでトップへ。

標高は日本のスキー場では2番目の2,237m。

(1番は志賀高原・横手山の2,307mのようです)

ここでもスキー客と登山客が同居しています。面白いなぁ〜。

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ここからは林間コースで約4kmのロングラン。

トップのあたりはさすがの雪質。スキーのエッジからキュッキュッという音が。気持ち良い!

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林間コースでは写真を撮る余裕がなかったのですが、このような感じのコースを滑っていきます。

このスキー場の客層なのか、とてもうまい人が多いんですね。滑りを見ているととても参考になります。

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ちなみにこんな感じで夫婦で滑っていました(笑)。

林間コースを滑っていると、時折木々の間を歩いている登山者を見かけます。

スキーもいいけど雪山登山もやりたいなぁ、と思いましたね。

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帰りの特急あずさ車中。

いただくのは茅野の地酒・ダイヤ菊の「ダイヤカップ」。

これが美味いんですね。軽く、円く飲めるけど、味わいもしっかりあって。

まさにスキー帰りにぴったりの酒質。

ダイヤ菊さん、社名が変わられたりいろいろ変遷があったようですが、これからも美味しいお酒を造っていただきたいですね。

北アルプス帰りには安曇野の「大雪渓」、八ヶ岳帰りには茅野の「ダイヤ菊」が定番になりそう。

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2022/10/15

双六岳へ!

念願の北アルプス裏銀座方面へチャレンジ!

今回は双六岳を目指します。

初日。松本バスターミナルから平湯温泉乗り換えで新穂高温泉へ。

ここから林道を1時間歩き、わさび平小屋へ到着です。

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わさび平小屋では、野菜や果物を冷やして売られています。

ここの名物らしいですね。

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部屋は三人部屋の一番奥。

スペースが十分確保されていて、快適でした。頭上の棚が便利でしたね。

テント装備を持っているので本当はテント泊したかったんですが、7月頃ここのテント場にクマが出没して、しばらく閉鎖になっていたんですね。

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今は居なくなったそうでテント場も営業しているんですが、念のために小屋泊にしました。

(八ヶ岳の双子池キャンプ場で、テント横を大型動物が歩いていった恐怖がトラウマになっています)

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夕食は岩魚がメイン。これはテントではなかなか味わえないですね。

美味でした!

この小屋は水が豊富なので、風呂にも入れます。汗を流した後は小屋前でまったり。

小屋の女の子に「日本酒はありますか?」と聞くと売り切れているとの事。

「日本酒はないですが、お燗ならあります」と。

「???そ、それじゃあお燗ください」と変な会話。

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アツアツのお燗。

間違いなく日本酒でした。銘柄はこわくて聞けませんでした(苦笑)。

そんなこんなで明日は自分としては長丁場なので、早めに床につきました。

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翌日も快晴。

林道をしばらく歩いて、小池新道に入ります。ここからが本格的な登山道。

岩の多い道ですが、よく整備されていて歩きやすいです。

高度を上げていくと、西穂高岳の稜線が現れました!俄然テンションが上がります。

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しかし皆さんよくあの稜線を歩きますね〜。見るからに恐ろしい。

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こんな感じの沢をいくつも渡り、さらに先へ進みます。

すると突然、池の前に躍り出ます。

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鏡池です!槍・穂高連峰がどどーん!

ここは素晴らしいフォトスポット。

当たり前ですが、常念山脈から見るのとは左右が逆。

少し行くと鏡平山荘に到着。ここではコーヒーフロートで小休止。

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疲れた体にアイスクリームが沁みます。

快晴なのは嬉しいですが、真夏のような暑さ。

ここからもさらに高度を上げて行きます。

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弓折岳山頂に到達。双六岳方面と笠ヶ岳方面との分岐です。

今回はもちろん双六岳を目指します。

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ここからしばらくは歩きながら常に槍ヶ岳が見えるご機嫌な環境。

登りはつらいですが、そんな時は槍を見てパワーをもらいながら・・・。

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穂先にズーム。素晴らしい山容。

雲一つない天候に感謝。思えば今シーズンは週末ごとに現れる台風に苦労しました・・・。

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しばらくすると、前方に双六小屋が見えて来ました。

その向こうには鷲羽岳、そして水晶岳が。すばらしい。

(しかしここからアップダウンが激しく、なかなか小屋に辿り着かないのでした)

小屋に到着後、早速テントを張りました。

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砂っぽい地面でペグの効きがゆるい気がして、石中心に張りました。

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昼も過ぎたので、双六小屋でカレーライスをいただきます。

普通のカレーだけど、そこが美味しい。

双六岳山頂は小屋から約1時間。当初は翌朝にと考えていましたがこの絶好の晴天を逃す手はないと思い、この後登頂をする事に。

小屋のすぐ横の登山道から上がって行きます。

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だんだん小さくなっていく双六小屋とテント場。

正面に見えるのは槍ヶ岳に到達する西鎌尾根に連なる樅沢岳です。

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分岐に行き当たります。

右に行くと三俣山荘方面。

来年は三俣を目指したい、と思いつつ今回は双六岳方面へ進みます。

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このあたりで雷鳥の鳴き声が聞こえ、しばらく探したんですが姿は見えませんでした。

晴れていると、なかなか姿は見せてくれないようですね。

大きな台状の地形を乗り越え、しばらく行って後ろを振り返ると・・・。

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来たー!

天空の滑走路。 この景色を見たかった!

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山頂に到達。大満足の登頂でした。

槍ヶ岳とは逆側の黒部五郎岳方面にはだいぶ雲が出て来ました。

中には黒い雲もあったりするので、早々に下山します。

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それにしても、すごい風景だよな〜。

余韻を噛み締めつつテント場へ戻ります。

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小屋まで下りて、ビールでひとり乾杯。

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テント脇で小屋で買った日本酒(双六カップ)をいただきます。

使用した盃は生分解性プラスチックに会津塗を施したもの。

山で使おうと半年くらい前に購入していたのですが、やっと日の目を見ました。

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夜半のテント場。

この日は結構冷えて、寝袋+ダウンで乗り切りました。

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翌朝。双六小屋は位置的にご来光が見にくいようで。

それでも綺麗に赤く染まった空を見ることが出来ました。

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鷲羽岳もほんのりピンクに染まって・・・。

さて、テントを撤収して下山です。

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他のテントもだいぶ減りました。

双六池の奥の方に見えるのは笠ヶ岳のようですね。

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鏡池までの道は槍ヶ岳が正面に見えます。

足を止めて写真を撮りまくりで、なかなか前に進まない。

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穂高連峰。

奥穂高岳から連なるジャンダルムもはっきり視認できます。

しかし、よくあんな場所に行きますね〜(汗)。

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鏡平山荘が見えて来ました。

こうして見ると、すごい立地。

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鏡平山荘に着。

すこし肌寒かったですが、またもコーヒーフロートを。

変わらず美味。

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風がなかったので、鏡池では“逆さ槍”が見れました!

(先っぽがほんのちょっと見えているだけですが・・・)

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“チボ岩”と言われる辺り。

コース上にはこういった大きい岩が折り重なっている箇所が多く、アスレチック的で歩くのが面白い。

しかし、血痕が点々としている岩を見つけ、油断をしちゃいけないなと思いました。

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やがて、わさび平小屋に帰って来ました。

昨日はなかった足場が組まれていてびっくり。冬支度でしょうか?

ここから1時間かけて新穂高温泉のバス停まで歩き、松本へ戻りました。

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特急あずさ車中。旅の終わりはいつも大雪渓。

落ち着く味です。

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やっと行けた双六岳。天空の滑走路も見れたし、天気に恵まれ大満足です。

来年以降はもっと裏銀座方面に足を伸ばしたいなと思いました。

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スマホの壁紙にしました!

見るたびに「かっけーっ!」と、思っちゃいます。

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2022/09/30

蝶ヶ岳へ!徳澤園とチタン盃とブロッケンと。

一度行ってみたいと思っていた北アルプスの蝶ヶ岳へ。

安曇野側から登るのがポピュラーかと思いますが、今回は上高地からのアプローチ。

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早朝の上高地バスターミナルを歩き出し、約2時間。

徳澤園のキャンプ場。

天気予報ではこの日は雨がちで午後には雷雨の可能性もあった為、蝶ヶ岳には登らずここでテント泊をすることにしました。

結果は晴れだったのですが、予定は変えずに・・・。

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土の下がすぐ石の層で、なかなかペグが刺さりにくく四苦八苦。なんとか立てることが出来ました。

このキャンプ場は敷地が広大なので、開放感があって良い。

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日中は陽射しが強く、テントの中は暑くていられないので「みちくさ食堂」へ。

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ギネスとカレーうどん(お肉ゴロゴロで美味いです)。

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そして日本酒「氷壁の宿」も。

アルプス正宗の醸造元(長野県松本市の亀田屋酒造店)が徳澤園用にパッケージしたもののようです。

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良い感じに酔いもまわり、この日は早めに寝ました。

翌朝、キャンプ場すぐ横の登山口から出発です。

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なかなかの急登と、あちこちに出現する泥濘と格闘しつつ、約4時間。

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ようやく蝶ヶ岳山頂へ辿り着きました。

眼前に広がる槍・穂高連峰が見事!

さすがは『北アルプスの展望台』。

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やはり蝶ヶ岳の魅力はこれですね(蝶ヶ岳の山頂自体は特に特長はないんです)。

涸沢カールもしっかり見えてます!

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テント場は岩と石の地面なので、ペグではなく岩で固定する方式。

地酒星人のテントは左下のオレンジ色。

稜線をはさんだ槍・穂高の反対側には安曇野の町が眼下に広がっています。

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テントの横のハイマツの茂みには、松ぼっくりを獲りにきたホシガラスがたくさん飛び交っていました。

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昼食は蝶ヶ岳ヒュッテの名物、カルボナーラを。

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美味しいなぁ〜。山頂でこの味は感激。

ヒュッテで日本酒を買って、また穂高を見に行きます。

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一期一會。

酔園の醸造元(長野県安曇野市のEH酒造)のお酒です。

とても軽いタッチの水のようなお酒。

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穂高の山々に乾杯!山好きの酒飲みにとって、こたえられない環境。

この盃はエバニュー社のチタン製です。飲み口がすごく薄く仕上がっていて好み。そして驚異的に軽い!

山に行くと午前中はハードな登り、午後は反対に酒飲んで食べてリラックス、というパターンが多いです。

この緩急の差が面白い。

この日も良い感じに酔っぱらい、早々にテントへ潜り込みました。

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夜半にトイレに起きたら、安曇野の町の夜景が綺麗でしたよ〜。

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夜間に雨が降ったこともあり、日の出の頃は雲がちでした。

モルゲンロートは見れないな、と残念に思っていたのですが・・・。

だんだん雲が切れ始めて、なんと!

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穂高連峰をバックに、ブロッケン現象を見ることが出来ました!

あー、やっぱり奥穂高岳に呼ばれている気がする。技術を磨いて来年、チャレンジできると良いな。

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槍の穂先もお出ましです。

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先日登った常念岳も、蝶ヶ岳ヒュッテ越しにどどん!と登場。

この日の下山路は三股登山口へのルート。

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途中、有名なゴジラの木も見れました。

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これは地酒星人命名の「スヌーピー岩」。

わかるかなぁ〜?

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無事に三股へ下山。タクシーで「しゃくなげの湯」へ行き、汗を流してから松本へ移動、特急あずさで帰路へ。

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はい、毎度おなじみの、あずさの車窓と大雪渓。

やっぱり山旅の終わりはこの酒ですよ。

蝶ヶ岳、また北アルプスの山々を眺めるために行ってみたいです。

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2022/09/22

燕岳再訪!急登とお燗酒と遭難未遂?

ぜひ北アルプスの燕岳に登りたい!と言う妻を連れての山行へ。

前夜は鰻を食べてパワーを、と考え松本の「観光荘」で。

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いつもながら独特の焼き具合。美味いです。

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妻は高尾山などの低山を登ったことはあるけれど、北アルプスはもちろん初めて。

「陣馬山を3回登れば、燕岳山頂だよ」と言うと、嫌な顔をする。不安しかない・・・。

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いつものように松本駅から大糸線始発に乗って穂高駅へ。まずまずの天候。

穂高駅からバスに乗り1時間と少し。

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やって来ました、燕岳登山口。

8時ちょうど。ぼちぼち登り始めます。

初めの1時間くらいが結構な急登なんですよね。心拍数を上げすぎないようにゆっくり、ゆっくり。

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こんな感じの箇所もたくさんありますし。

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岩場を超えて行く箇所も数知れず(燕らしい花崗岩質)。

そんなに難しい場所はないのですが・・・。

高尾の陣馬山以上の高低差を登ったことが無い妻。なかなか苦戦しています。

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やっと合戦小屋に到着した頃は既に12時。

思った以上に時間がかかっている。

昼食は燕山荘でと思っていましたが、ここで摂る事に。

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途中で高山植物(写真はトリカブト)などを見ながら、気を紛らわせつつ先へ。

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やっと燕山荘へ到着したのは午後2時。実に6時間かかってしまった。

(ちなみに昨年単独で登った時は4時間でした)

安心したのか燕山荘の前で、妻号泣。

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燕山荘前からの、雄大な風景が疲れを癒してくれます。

この日は燕山荘泊。着いたのが遅かったからか、本館ではなく離れの冬季小屋へ案内されます。

本館の雰囲気が大好きなので残念。

(冬季小屋なので窓もなく「ザ・山小屋!」「雑魚寝!」という雰囲気)

着いてしまえばする事がないので、テラスへ行ってまったり。

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相変わらず美しい燕岳山頂部。

妻は燕山荘までで疲労困憊。山頂へ行くのはあきらめました。

そうと決まれば、あとは飲むしかないでしょう。

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燕岳に乾杯!

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そして、おなじみの大雪渓です。

嬉しい事にお燗つけてもらえるんです。お猪口も磁器だ。

こんな贅沢な飲酒環境があるでしょうか!

 

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裏銀座方面の山々には天使の梯子がかかって・・・。

今回、槍・穂高方面は厚い雲に隠れがちで、槍の穂先は一瞬見れただけでした。

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そうこうするうちに夕食。

赤沼社長の山に関する興味深いお話を聞きながら・・・。

夕食後は喫茶スペースでまったり過ごし、あとは寝るだけ。

しかし、山小屋に馴れていない妻はほとんど寝付けなかったようで・・・。

それが翌日に影響する事になります。

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翌朝のご来光。雲が厚めでモルゲンロートは見れませんでした(残念!)。

朝食後、喫茶スペースでコーヒーを飲んでから下山の途に。

燕山荘前がなにやら賑やかだと思っていたら、YouTuberの「もじゃまる夫妻」が!

前日、大天井岳でテント泊をして、今朝ここまで移動してきたそうです。

「いつも見てまーす!」と声をかけさせてもらいました。

とても感じの良い二人でしたよ。

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さて、下山。

妻は昨日の登りがたたったのか、筋肉痛で足が棒のようになりうまく運べない様子。

昨晩の睡眠不足もあり、体も重いようです。

なんとか合戦小屋までは下りて、名物のスイカも味わいました。

そこからしばらく行ったところ、事件が起きます。

大きめの段差で着地の際に足が痛かったらしく、体勢を崩した妻は大きい岩が転がっている場所へダイブ!(汗)

したたかに右手上腕部を打ちつけてしまったのでした。

しばらくはその場で様子見。手を握ると握力はあるようなので、骨折は無いと判断。

妻のザックに入っている重さのある荷物をこちらのザックに移動させ、そろりそろりと再び下山を開始。

持っていたポールをほとんど松葉杖がわりにし、段差では妻の手を握ってバランスを崩さないように。

大きい段差では腰を下ろして尻をずらしながら降りる。

「これはどれだけ時間がかかるんだ?」と自問していました。

途中で本当に「遭難」の二文字が脳裏に浮かび、「救助要請」の四文字が現実味を帯び始めた気がしました。

それでも下山される大勢の方に抜かされる際に励まされつつ、わずかづつ高度を下げて行ったのでした。

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やがて登山口方面から川のせせらぎが聞こえて来て、建物の屋根や駐車している車も見えるようになります。

それらが少しづつ近づいて来るのを励みに、なんとか引きづるようにして登山口まで辿り着きました。

再び、妻号泣。

8時間をかけた下山でした。

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バスに乗り込み、穂高駅へ。

本当は温泉に寄ろうと思っていたのですが、妻の怪我でそれどころではなくなり帰路へ。

特急あずさを待つ間、駅前の店で信州名物おやきを。

熱々のおやきを齧りながら「なんとか帰って来たなぁ〜」と、ホッとしたのでした。

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帰路のあすさ車中。

おなじみの大雪渓で旅の締め。

やはり山は侮れない。忘れがたい山行になりました。

ちなみに妻の怪我ですが、右上腕部靭帯損傷と診断されました💦

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2022/08/04

常念岳で「山の酒・大雪渓」を味わう!

はじまった夏山シーズン。

今年の初・北アルプスは常念岳です。

前日に松本入り。大糸線の始発に乗って穂高駅を目指します。

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始発なので、大糸線の車内は人もまばら。

それでも同じような格好の登山客もちらほらと。

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車窓からは、目指す常念岳が。

天気もまずまずのようです。

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6時過ぎに穂高駅に到着。

すぐに予約していたタクシーに乗り込み、一の沢登山口へ。

この日は日曜なのですが、登山口付近の駐車場がとても混雑しています。

運転手さん曰く「ここまで混んでる一の沢は見たことが無い」と。

後で知ったのですが、燕山荘や涸沢ヒュッテなど近隣の山小屋で従業員にコロナ罹患者が出て臨時休業になっていたそうで。

それで常念岳へ登山客が集中しているようです。

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7時前、一の沢登山口に到着。早速登り始めます。

「熊出没」看板のインパクトがでかい(苦笑)。

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常念岳へ到達する一の沢コースは、文字通り沢に沿いながら高度を上げていく道。

沢にかかった丸木橋を何度も渡ったり、飛び石を伝ったり、沢そのものに入り靴を濡らしながら進んで行きます。

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この日はさほどでもなかったのですが、大雨の後などは増水が恐いコースですね。

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徐々に高度を上げて行くと、いよいよ「胸突き八丁」に差し掛かりました。

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疲れたところに持って来て、この急階段です。

右側がざっくり切れ落ちているので、通行は要注意の箇所。

緊張しながら長い階段を通過した後も急登が続き、体力が削がれます。

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そんな中、嬉しいのは水場の存在。

体の中にスーッと染み込む、天然の滋味。生き返ります。

登山口出発から約4時間、突如として眼前が開けます。

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ドーンと目に飛び込むピラミダルな形状。常念岳の山頂部が目に飛び込んで来ました。

そして・・・。

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本日宿泊する常念小屋と、その向こうに広がる槍・穂高連峰。

今年も槍に会えた!

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この日、常念岳登頂をしたいと考えていましたが、予想よりも疲労感があり翌日に持ち越すことにしました。

常念小屋へチェックインします。

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前述の他の山小屋の休業のため、この日の常念小屋はほぼ満室。

(直前までは5割ほどの埋まり具合だったようです)

案内されたのは相部屋(男女別)。コロナ防疫のため申し訳程度の仕切り板は設置されていますが、要は“ザコ寝”ですね。

昨年宿泊した3つの山小屋ではそれぞれ個室チックな環境だったため、ちょっと緊張。

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先着順で一番奥をゲット。

敷き布団を伸ばすと向かいの方の布団と重なってしまう。そして、微妙に足も出ちゃうんですね。

なので、布団の対角線で寝て、なんとか布団内に足を収めるようにしました(苦笑)。

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食堂にてラーメンとビール!

体が欲していた塩分。美味いです。

いつもは飲まないロング缶も、すんなり空ける事ができました。

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さて、夕食までは時間がたっぷりあるので、開放されている食堂で安曇野の酒「大雪渓」を飲りながら読書です。

(山に関するさまざまな書籍・漫画が本棚に並んでいます)

その中から手に取ったのは「穂高小屋番レスキュー日記」宮田八郎著。

2018年に不慮の事故で他界された宮田氏。奥穂高岳の直下にある穂高岳山荘の元支配人兼遭難救助隊員でした。

10代の時から30年にわたって穂高岳山荘で活躍する様が闊達な筆致で描かれています。

食堂の窓からは槍・穂高連峰を眺めることが出来て、その環境でこの本を読むととてもリアリティがあり、感情移入しちゃうんですよ。

何度か涙腺も刺激されたりして・・・。

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食堂にはお茶とお湯入りのポットが置いてあり、自前のカップを使って自由に飲むことが出来ます。

大雪渓とお湯を交互に飲んでいると、ちょっとお燗を味わっている気になります。

大雪渓、水場で味わったおいしい水を連想させる美味い酒です。

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そうこうしている内に夕食の時間の5時。

この標高でこの内容を味わえることに感謝。

この日は消灯の8時を待つことなく、眠りに落ちたのでした。

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さて、翌日。快晴のなか常念岳の山頂アタックです。

サブバックだけを背負って身軽に。

大きな石がゴロゴロで、とても歩きにくくコースを見誤りやすい。

前後に登山者がいないので心細くなりつつも、なんとか高度を稼いで行きます。

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気がつけば出発した常念小屋ははるか下。

何度かコース外へ出てしまったのですが、だんだんコツを覚えてきました。

登山道は人が多く歩いているので、石が若干赤っぽいんですね。コース外の石は黒っぽく、苔も生えていたりします。

この色調の違いと、ところどころ岩にペンキで書かれた「○」「×」の印を頼りに山頂を目指します。

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ようやく山頂が目の前に。人が見えているところが山頂です。

と言っても、この巨大な岩をよじ登るわけではなく、右の方に巻き道があります。

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登頂! 何度も人様のYouTubeで見ていたこのお社を肉眼で見ることが出来ました。

しかし、大きな岩が寄り集まった感のある狭い山頂です。

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苦労して自撮りをしていると、見かねた女性登山者が撮影してくださいました。

燕岳に引き続き、皆さん親切ですね。

穂高の山々は山頂部分に雲がかかってしまっています。

登山を始めるにあたり、目標のひとつとしていた常念岳に登頂できました!

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さて、下山です。目指す安曇野の町は雲の下。

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帰り道は気持ちもゆるんで、咲いている花などをカメラにおさめつつ・・・。

しかし、今回もまたなんでも無い箇所で右足を滑らせて転倒。幸い怪我もなかったですが、この転倒癖はどうにかしなくちゃならんですね。

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一の沢登山口からはふたたびタクシーに乗り、穂高温泉郷の「しゃくなげの湯」でリフレッシュ。

生ビールをいただきました。このボーッとするひと時がたまりません。

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帰路のあずさ車中。ふたたび大雪渓を。

癖がなく、控えめな旨味を持つ酒です。3,000m級の山ではこんな酒が合うんでしょうね。

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常念岳、さすが百名山の名峰でした!

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