ひとりよがり書評

2008/12/01

「赤めだか」で無性に落語に触れたくなる。

落語に関して、とくに詳しいわけではまったくないのですが、この本をたまたま読んで無性に高座を観たくなりました。

立川談春著「赤めだか」

Akamedaka

立川流家元である、立川談志のもとへ17歳で入門した著者が修行の末に真打ちとなるまでの様々が描かれているエッセイです。
落語家協会に属さない立川流は、言ってみればまるごと天才・立川談志の個性・主張によって成り立っている。
立川談志の芸に恋いこがれて入門した談春ら弟子たちと師匠・談志との日々。
そこには濃密な師弟愛もあるし、芸を磨くための冷徹なプロの厳しさも存在しており。

著者とまわりの人々との笑いと涙、そこはかとないペーソスが存分に描かれていて、あっと言う間に読了。
ものすごく忙しかった先週。その中で読んじゃったんだから本当(実は仕事していなかったり?)。

詳しくは本書を読んでいただくとして、ここではこの本にちりばめられている立川談志の語るたくさんの金言の中からいくつか。


「坊や、よく覚えとけ、世の中のもの全て人間が作ったもんだ。
 人間が作った世の中、人間にこわせないものはないんだ。」


「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。」

「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。
 現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。
 現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。」

「人間は寝ちゃいけない状況でも、眠きゃ寝る。酒を飲んじゃいけないと、わかっていてもつい飲んじゃう。
 それを認めてやるのが落語だ。『落語とは人間の業の肯定である』。」

最後の一節なんか、胸にず〜んと来ますね。

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