「きみの友だち」に涙・・・。
松葉杖をついた気の強そうな女の子と、ひとまわり背の低いやさしい表情の女の子がふたりで空を見上げている・・・。
ふたりが見ているのは空にぽっかりひとつ浮かんだ雲。
・・・もう、この情景だけで涙腺がやばいです。
昨日公開された、映画「きみの友だち」。
重松清氏の著作を映画化したものです。
この原作が出版された当時に、妻とふたりむさぼるように読みました。
その頃に感じていた公立学校への不信と、価値観の多様化から昔より遥かに難しくなってしまっている子供達の人間関係。
悩んでいる事の答えが、ここに明確に記されていると感じました。
重松氏は現代の教育現場とそこで過ごす子供達の実情をふまえた上で、普遍的な友情の物語を見事に描いたと思います。
映画は原作へのリスペクトを感じる真面目な作り。
故・相米慎二監督の演出を思い出させるような長回しカットをうまく使い、登場人物の心理を巧みに描きます。
脚本も各人物への愛情と理解を感じられるもの。
それでも、それでも。
やはり原作の半分も描けていない気がします。
それは無理もなく。様々な登場人物を描いた短編が最後にすべてつながる重松氏の小説をきちんと描くには映画一本では到底無理なはなしで。
様々な人物の現在と過去に飛ぶ展開も、原作を読んでいない人にはわかりにくいような気がします。
本当は恵美と由香のふたりの物語にしぼった方が良かった気がします。
原作のラストであり、最大のハイライトである恵美の結婚式シーンが写真展に変わっていたのも不満点。
ここがうまく描けていたら、それまでの不満もすべて帳消しと感じていたでしょう。
それでも、この原作を忠実に表現し、さらには原作をしのぐ事は無いとはじめからわかっていたので、それほどの失望感は無く。
それよりも二人の女の子と、視線の先に浮かぶ“モコモコ雲”を映像で見る事が出来ただけで星4つ・・・。
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コメント
“モコモコ雲”映像
気持ちよさそう。
”大胆でいいですねぇ〜。
↑
”雲のup画
投稿: イケ | 2008/07/28 17:42
《イケさん》
この映画(小説)、雲が重要なキーワードになるんですよね(^^)。
特に小説はおすすめ。やばいです、泣けます。電車の中では読めません。
東京も今日は綺麗な夕焼けでしたね♪
投稿: 地酒星人 | 2008/07/28 19:48