「クライマーズ・ハイ」で23年前の夏を想う。
御巣鷹山への日航機墜落、そしてその時の地元新聞記者達の報道にかける姿を描いた映画「クライマーズ・ハイ」を観ました。
夕刻の新聞社に突如入った一報・・・。
「日航のジャンボ機が消息を絶った」。
「搭乗者数524人」。
世界最大の航空機事故。
そこから始まる記者達の苦闘。
映画は短いカットの連続で新聞社の様々な人物を描きます。
無線の無かった地方新聞記者たちは御巣鷹の惨状の様子を締めきりに間に合うよう、必死に山を下り深夜に民家の電話を借りて記事を送ります。
悲惨な現場を経験し精神を病む記者。
記事の内容を巡って火花を散らす社内の人間関係。
息もつかせぬスピーディーな展開。
とても良く出来た映画だと思いますが、差し込まれるエピソードが多様すぎる気がしました。
事故とそれに関わる記者たちの苦闘だけに焦点を絞った方がよかった。
社主と主人公(堤真一)の葛藤、病に倒れた友人の様子などは余計に思えました。
そして、様々な人物の動きがクライマックスに収斂して行く展開が出来なかったものでしょうか。
プロジェクトX的な展開を無意識に期待していたのかもしれませんが・・・。
架空の新聞社を描いているのですが、事故自体は実際のものを題材としているのでストーリーを勝手に作るわけにも行かず難しいのでしょうが。
そのあたりがカチッとはまったら、歴史に残る名作になった可能性のある映画だと思います。
それでも登場人物達はみな熱演。
いるいるこういう人、というような様々にキャラの立った人ばかりで。
当時のマスコミの様子もリアルに再現していると感じました。
・・・さて、事故から今年の夏で23年目なのですねぇ。
あの事故当時、私は観光で広島の尾道に行っていました。
朝、泊まっていた旅館を発とうとして荷物を整理しながらつけたテレビで昨晩の事故をはじめて知ったのでした。
今でもよく覚えています。
520人の方が亡くなったわけですが、その方たちの家族や恋人、友人など、多くの人生に多大な影響を与えた事故だったわけですね。
その数は数千、いや数万人におよぶかもしれません。
この作品で描かれた新聞記者たちもその中に入るのでしょう。
映画を観て、そう思いました。
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コメント
自分は筑波のビジネスホテルの小さな画面で見てました。衝撃的なニュースでしたね。。。。
救助された女の子も、確か看護師になったとか・・・九ちゃんの、歌を耳にするたび思い出されます。
投稿: イケ | 2008/07/20 10:02
《イケさん》
筑波にいましたか〜。
同じく奇跡的に助かった乗務員の落合由美さんの証言などは、今読んでも緊迫度が高くて文章に釘付けになりますね。
あの事故で亡くなられた方のご冥福をあらためて祈りたいです。
投稿: 地酒星人 | 2008/07/20 20:01