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2008/06/16

「生麦事件」に驚き!

Namamugijiken 昔から歴史小説が好きで、司馬遼太郎氏の著作を中心に様々読んで来た地酒星人なわけですが。
一昨年お亡くなりになった吉村昭氏の「生麦事件」を読んでびっくり。
なんだこれ。
無茶苦茶おもしろい。

“生麦事件”と言えば薩摩藩の大名行列と接触したイギリス人商人を薩摩藩士が無礼打ちにした高名な歴史的事件です。
それが元で薩摩と英国の戦争(薩英戦争)に発展するわけですが。

それらの展開を緻密な調査によって、淡々と、実に淡々と様々な人士の動きを時系列に描写して行くわけです。
この小説に主人公はいません。
誰々がこう思ったであろう、というような推測も一切ありません。
ただ、事実をそのまま並べて行くのです。
延べの登場人物は数百人にもおよぶでしょうか。
こういうアプローチの歴史小説には初めて接しますし、それでも内容が退屈でないどころか、凄くエキサイティングなのが驚き。
曖昧な部分をまったくいれない吉村氏の取材力もあるのでしょう。
そして、この時代のドラマチックな政治の動き自体が輝きを放っているのでしょう。

薩英戦争後、薩摩と英国が親しくなり、英国より買い入れた最新の武器をもって倒幕へと突き進むわけですが、この小説はそこまでを描いて終わります。
薩摩と英国の関係はこれまであまり描かれた事はないわけですが、この視点で幕末史を俯瞰出来たのは素晴らしい経験でした。

以下、雑感。

●特定の主人公はいないので、特に誰に肩入れするわけでもなく読める。よって、冷静に歴史を眺められる。司馬小説には無いアプローチ。

●幕府は薩摩など雄藩の力を借りながら生き残っていけたのに、自らその道を閉ざしてしまったわけだな。

●「翔ぶが如く」で自分の中に作られた島津久光への印象が変わった。なんだ、判断に誤りの無い名君じゃん。

●幕府との虚々実々の交渉、英国との息詰まるやり取りなど、全編通して小松帯刀が大活躍。大河ドラマ「篤姫」にも出ていますが、こりゃあ早死にしてしまうわけだよ(明治3年に35歳で病死)。

早速つぎには「桜田門外ノ変」を読み始めました。

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コメント

7月11日金曜日19時から栃木県の天鷹酒造の蔵元とオーガニック酒とオーガニック料理を楽しむ会&オーガニックについて学ぶ会を行います。興味があればと思い・・・。
詳細は
http://www.nihonshu.com/

投稿: なお | 2008/06/16 23:01

幕末の歴史、高校時代に本を読んでいたら
kazu、そこまで詳しいことは試験には出ないぞ!
といわれました。
でも、ボクは未だに幕末のn歴史が大好き。
人物では、久坂玄瑞がたまらんです!

投稿: kazu | 2008/06/17 01:30

一瞬「生姜事件」と読んでしまいました(汗)。
おかしい・・・生姜には困っていないはずなのですが、
やっぱり日本食失調症がそろそろ出てきているみたいです。

それはおいといて、生麦事件、世界史の受験勉強した時に、
おもしろいエピソードだなぁ、と興味持ってたことを思い出しました。
この本、面白そう!
主人公のいない小説って、どういう風にも考えが取れるから楽しいです。

投稿: まき子 | 2008/06/17 02:57

《なおさん》
情報ありがとうございます!(^^)
しかし、このようなNPO法人もあるのか、とびっくりいたしました(@_@)。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/17 08:51

《kazuさん》
久坂玄瑞もまだまだスポットライトが当てられていない印象があります。
あまりに早い一生でした。
もっと生きていたらどのような活躍があったのでしょうか。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/17 08:53

《まき子さん》
生姜事件!(笑)

この頃の歴史には当然アメリカも深く関与していますから、アメリカから見た幕末の日本の資料をそちらで探してみると面白いかもしれませんよ♪

投稿: 地酒星人 | 2008/06/17 08:57

きっかけは、文化の違い・・・
それが歴史を変える薩英戦争に発展するなんて。
主人公のいない登場人物数百人の小説って
とても興味深いっすね〜。

投稿: イケ | 2008/06/17 09:16

《イケさん》
その後の展開を考えると、この生麦事件がなかったら歴史は違う道を歩んでいたと思います。

それだけの事件なのに、今まで本格的に小説を書く人がいなかったのが不思議なくらいで。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/17 10:52

吉村昭の幕末といえば、黒船という作品を読んだ?ことがあります。
主人公がいる話なのですが「通訳」ととても地味な対象にして、しかもあのタッチで語られるゆえ、当時はイマイチ面白さがわからず。
途中で投げ出した記憶が残っています。

今ならあの多大な情報量を楽しめそう。
読み返してみたいですね。

投稿: ぽんちゅう | 2008/06/17 22:56

《ぽんちゅうさん》
この「生麦事件」も、たとえば学生の頃に読んだなら途中で断念していた可能性がひじょうに高いです。
“自分ならどうする”、という部分がリアルに感じられないと(つまり社会で経験を積まないと)、登場人物の行動に共感が持てないんでしょうねぇ。

そういう意味で、とっても大人な小説だと思います。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/18 05:24

ナマムギナマゴメナマタマゴ
我慢してたけど書いちゃった。^_^;

投稿: 煮酒 | 2008/06/18 09:51

へ~~~
歴史小説って主人公が有名なものしか読んだことなかったですけど
これは面白そう!
言葉では知っていた生麦事件ですが詳しく知らないことに今気がつきました(汗)
ぜひ読んでみよう~~~っと♪
桜田門外の変も読みたい・・・

投稿: ちゃこ | 2008/06/18 12:41

《煮酒さん》
季節柄、“生ひね事件”だったら各地で勃発しているような気がします(爆)。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/18 13:53

《ちゃこさん》
誰が読んでも面白いたぐいの本ではないと思いますが、幕末の知識が豊富なちゃこさんだったら大丈夫♪
おすすめです!
大名行列の仕組みやシステムもわかって、興味深いですよ〜。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/18 13:54

吉村氏の書かれた小説では長英逃亡もなかなか名作だと思います。
機会があれば読んでみて下さいな。

投稿: | 2008/06/19 00:41

《有さん》
司馬小説で育った私にとって、高野長英もある意味“未知の人”です。
是非、読んでみたいです♪

投稿: 地酒星人 | 2008/06/19 08:45

主人公がいない、登場人物が数百人、歴史小説である。これらの事から私は三国志を連想してしまいました。

投稿: 桂自然 | 2008/06/19 14:32

《桂自然さん》
なるほど〜。
この生麦事件も、「薩摩藩」「幕府」「イギリス」の、ある意味“三国志”かもしれませんね〜。

と言うか、三国志にあまり詳しくないのですが・・・(汗)。

投稿: 地酒星人 | 2008/06/19 23:54

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