敬愛する谷山先生におかれましては、恐れ多くも今月、新たな作品を発表にいたられたご様子。
ここは「ねこの森住民」あるいは「歪んだ王国臣民」としては必聴にいたらねばならじとて、“ブラジルの密林”にてこの聖盤を入手に至った次第。
【おそらくは多くの谷山浩子ファン以外の方は、この後スルーしてください(笑)】
【1】フィンランド
これ、フィンランド観光協会が聴いたら頭を抱えるんじゃないだろうか。
♪フィンランド フィンランド フィンランド ロシアの近く 確かあのへんの どこかにある
♪海外旅行の行き先として 忘れられてる ベルギーとともに
だって(笑)。
先生、フィンランドに喧嘩売ってる?と思ったのですが、これ、モンティ・パイソンの曲の忠実な日本語訳なんですね。
すげぇな、モンティ・パイソン。
【2】図書館はどこですか
しみ入るような美しいバラード。
【3】放課後
ひっさしぶり(20年ぶりくらい?)に橋本一子をアレンジに起用。
雨の放課後、好きな娘と一緒に帰途につく少年の時間。聴いているだけで数十年の時をさかのぼってしまう谷山マジック。
【4】人魚は歩けない
10年に一度くらいに突如発表されるノリの良い曲。
これ、アンコールでやったら盛り上がりそう。でも、詞はかなりシュール。
♪ホタテ ナマコ 会いたいハタハタ …って(汗)。
【5】まもるくん
こわ〜〜っ。
シュール過ぎて、とってもこわい曲。
♪新宿の地下道の 壁から出てくる まもるくん 壁から生えてる 斜めに生えて笑ってる
曲調はのほほんとしているだけに、歌詞が逆に怖さを感じます。暗黒谷山曲の中でも異彩を放つ。
【6】きみのそばにいる
先生の師匠、小室等氏とのデュエット曲。
身近な人へのストレートな愛情の歌。
【7】タイタニア 恋をしよう
こちらも橋本一子編曲。
壮大で美しいイメージの曲調…。
♪タイタニア 恋をしよう
♪素敵なロバと
↑ロバかいっ!!
【8】きれいな石の恋人
慣れ親しんだ石井AQ氏お得意のアレンジ。
谷山曲にはやはり相性ぴったり。
【9】終電座
このアルバムの白眉。
短い演劇を見るような展開。
ストレスの多い満員の終電電車で、人々が突然「これは銀河鉄道だ」と歌い出す。
♪それは無理ですよ わたしはただの電車です
と、電車が言い訳するのが可愛い(笑)。
最近の谷山先生の演劇好きが影響しているのかな?
【10】雪虫 Whisper
作詞が中島みゆき(作曲は谷山先生)。
最近の中島みゆき自身のテンションの高い歌い方とは対照的なとても静かなバラード。
聴き込むにつれて良さがわかって行く、とても切なく優しい曲。
かつての中島みゆき曲では、なんだか「ホームにて」を連想しました。
【恐れ多くも総評】
今までの石井AQと創り上げていた小宇宙から、小室等や橋本一子などを招いて新しい風が通った印象のあるアルバム。
最初はインパクトが少ないのに、聴いている内にどんどん味が出て来る作品です。
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