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2007/10/15

【書評】日本は勝てる戦争になぜ負けたのか

新野哲也氏著「日本は勝てる戦争になぜ負けたのか」を読了。
あらためて暗然とする。
書かれている事は個々には知識として持っていたものだが、先の戦争における日本の政治・軍事の失策をここまで並べられると本当にため息が出て来る。

Nihonhanaze

第二次大戦は日本にとって無謀な戦争であったと言われているが、それは戦争指導者たちが無謀にしたのであって、作戦によっては勝てる(=戦争目的を達する)事が出来た戦いであった、と新野氏は語る。
敵国に勝つには強いリーダーシップと的確な戦略が必要であったのに、日本の軍部では海軍と陸軍が反目し合い、その中でも統制派と皇道派に別れていがみ合っていた。
他にも親ドイツ派や親ソ連派、親英米派などに別れ、社会主義革命を理想とする軍人・官僚などもいた。
日本が敗れる事で、革命を起こしやすい環境を作れると考える者がいたというのも驚き。

大戦当時、ルーズベルトのまわりに100人を超えるスターリンのスパイが居たのだから、日本の上層部に同じような者が混じっていないとは言い切れないだろう。
ゾルゲ事件などは氷山の一角かもしれない。
ソ連のスパイに限らず、謀略が渦巻いていたのが先の戦争であったし、そうでなければ説明の付かない、「何故?」が多過ぎるのだ。

それらの指導者層の為に犠牲となった、多くの国民と前線の勇敢な兵士たちにあらためて哀悼の意を表したい。

そう素直に思わせてくれる新野氏の著作である。

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コメント

なかなか興味を引くタイトルですね。
勝てる戦争・・え、どの戦争のこと?
・・って、食い付いてしまいました。
書評を読んでいると、私の知らない話が色々出てきてそうで、ちょっと読んでみたくなりました。
何だか今の日本の状況ともダブって見える感じがして、慄然としますね。
(別に戦争をしてるワケじゃないけど。)

投稿: 第三酒徒サケエル | 2007/10/16 11:09

戦争の失敗から、今の日本を見直そう、というものでしょか。
また今も日本は危機ですね。
今の日本のヤバさを書いている本はいっぱいあるけど、
この後それが「身になった」って書く本は出てくるのでしょうか・・・。

投稿: まき子 | 2007/10/16 22:28

《第三酒徒サケエルさん》
>今の日本の状況ともダブって見える感じがして
↑そうなんです。
この本のこわいところはそこで、当時軍部を握っていたのはペーパーテスト上位の軍事官僚たちで、無責任と思える国の操縦をした挙げ句に破綻したわけですよね。
軍はなくとも、所を変えてその官僚体質はそのまま生きていると思います。

投稿: 地酒星人 | 2007/10/17 09:07

《まき子さん》
「身になった」というのは、責任者がきちんと確定して処罰を受けた形にならないと難しいですよね。
誰が悪いのかよくわからないのに坂道を転げ落ちて行く感じが当時とそっくりな気がします(^^;)。

投稿: 地酒星人 | 2007/10/17 09:09

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