さっちん!
荒木経惟氏、通称アラーキーの処女作品集。
「さっちん」です。
これは地酒星人の大好きな一冊。
アラーキー氏が大学在学中(1962年)、荒川の三河島地区に通い、そこで日々遊んでいた“さっちん”と、その友だちの日常を活写したものです。
この作品で太陽賞を受賞、氏は世に出たそうです。
戦前からある古い団地を舞台に、様々な遊びに興じるさっちん達。
垂れる鼻水など物ともせず、子供の持つ“天然性”を全開にする様は爽快感さえ感じます。
おどけた顔、泣き顔、驚いた顔、見て行く内に感じるのは、やはり撮影者であるアラーキー氏と子供達の関係性。
なんのてらいも無い表情は、その分、氏が子供に受け入れられているという事なのでしょう。
この辺りの空気というか、資質が人物写真家として、特に“私写真家”としての荒木氏には初めから備わっているという事なのでしょう。
一度手に取ってみてください。
そこに描かれている子供たちのパワーに圧倒されると思います。
そして、自分の中に眠っている“さっちん”な部分を呼び起こされるでしょう(^^)。
※写真は「さっちん」らしく、通りのアスファルトに置いて撮影してみました。道路が似合う写真集なんです。
| 固定リンク
コメント
へぇ〜、観てみたいですね。
さっちん達も、いまや50代か!?・・・
本人達にとって、甘酸っぱい、羨ましい記録ですね。
さっちん、・・・
何かいい響きだなぁ。。。。
投稿: イケ | 2007/08/26 18:51
《イケさん》
そうそう、さっちん達もかなりのトシ(笑)。
特に当時の風俗が撮られているわけではないんですが、最近では見られない子供たちの表情が時代を感じさせます。
時折見ては元気をもらう一冊(^^)。
投稿: 地酒星人 | 2007/08/26 20:59