田从(たびと)・山廃純米!
田从(たびと)。
銘柄の存在は大分前から知っていたのですが、なかなか飲む機会に恵まれませんでした。
先日参加した“燗酒楽園”にも出ていたと思うのですが、そこでも飲めませんでしたし・・・。
この週末、初めて味わう事が出来ました。
田从(たびと)・山廃純米酒。
肩ラベルには“無濾過詰原酒・槽掛袋搾り”とあります。
17BY。
ひと言。これ、すごく良いです。旨いです。
香りは若干のアルコール感の中に、米々しい香りが凝縮されているもの。
口に含みますと、まずは強い酸味が効いている事に気づきます。
酸度は2.4。
次にほんのりした甘み、そして旨味がくっきりと立ち上がって来ます。
19度ある原酒という事もあり、かなり強いパンチを感じます。
旨いです。コクもあります。舌にからむトロリとした触感も良いですね。
冷やでも良し。燗でも良し。燗にしますと、酸味と甘み・旨味がより強調されます。
酸味の中に感じる旨味・コクは小笹屋竹鶴を連想しました。
いや〜、さほど期待をせずに飲んだのですが、発見でした。
こういう事があると、嬉しいですね。
田从(たびと)、他のグレードも試してみたいです。
【スペック】
田从(たびと)・山廃純米 無濾過詰原酒・槽掛袋搾り 720ml(舞鶴酒造・秋田県横手市平鹿町) 使用米:トヨシロ 精米歩
合米65% 日本酒度:+5 酸度:2.4 アミノ酸度:2.0 アルコール分:19度 価格:1575円 購入
場所:鈴伝(四谷) 出荷年月日:
06.09
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コメント
おお、自分もいっぺん飲んでみようと思っていながら、
なかなか機会に恵まれなかったお酒です。
なるほど、いかにも原酒っぽそうな表現のお酒ですね。
しかし槽なのに袋搾りって???
検索しても田从しか出て来ないし。。。
投稿: AKIRA | 2006/10/01 03:15
おいしいお酒にめぐり合うって嬉しいですよね♪
ブログの表紙、いいですね。
酒の妖怪たち・・・
見えないけれど、本当にいるかも。
投稿: A酒をのもう!!~幸せなお酒のみへの道~by 貴志X+ | 2006/10/01 08:02
「槽掛袋搾り」‥‥ 当たり前のことを宣伝文句にしてるなぁ(苦笑)
AKIRA さん、「袋吊り」じゃなくて「袋搾り」ですから、槽で搾る際の常道ですよん。言葉のアヤに騙されてはいけません。
http://www.japan-net.ne.jp/~katayama/link01/05kokko/tobi.11.html
しかしアレだな、この手の「引っ掛け」的な宣伝文句は、知ってる人には逆効果なんだけど、蔵元はそこらへんの自覚があるのかなぁ?
投稿: 目黒の清水 | 2006/10/01 09:42
話題の修飾語、ヤブタではないって事を丁寧に言っただけのような気もしますが。
投稿: 煮酒 | 2006/10/01 10:42
このお酒、秋田なんですね。名前は知っていましたが、秋田ですか。俄然興味が湧いてきました。
でも、酸度かなり高いですねぇ・・・。そこがネックだなぁ。
投稿: 山輝亭 | 2006/10/01 10:51
私もこれ飲んでみたい~
ブログ見てるとタビタビと見かけますね。(オヤジギャグ・・)
投稿: hirorin | 2006/10/01 17:19
《AKIRAさん》
これはなかなか良いお酒だと思いますよ〜。
他のグレードは飲んだ事ないですが、これはおすすめです♪
袋搾りの件はよく勉強します(^^;)←よくわかっていない。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/01 21:53
《 A酒をのもう!さん》
こんばんは〜。
店に並んでいたものから適当に選んで、それが当たると得した気分になりますね♪
これは地酒妖怪の中でも善良な者の導きでしょうか(笑)。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/01 21:56
《目黒の清水さん》
お〜、國香の搾りの様子ですね♪
これが「袋搾り」作業なんですね。
なるほど、槽に袋を並べて、これに圧をかけて搾るんですね。
逆に袋吊りは文字通り袋を吊って、自然にポタリポタリと垂れさせると・・・。
私は行程に関してあまりくわしくないので、たしかに“槽掛袋搾り”って、なんか凄い造り方をしている感じはしますね(^^;)。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/01 22:07
《煮酒さん》
すみません、ヤブタって何かわからないですが・・・。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/01 22:10
《山輝亭さん》
たしかに酸度は高いので、山輝亭さんの好みではないと思いますが、それでも日本酒好きであれば理解出来る旨味は持っていると思います。
もし見かけたら、是非お試しを(^^)。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/01 22:13
《 hirorinさん》
この銘柄、初めはなんとなく田酒と同じ所が出していると思い込んでいたんですよ(単純に名前からですが)。
なので、なんとなく味はわかっているつもりになっていたんですかね。
でも、オヤジギャグはともかく、おいしいっすよ♪
投稿: 地酒星人 | 2006/10/01 22:26
ヤブタは空気圧搾式搾り機のこと。メーカー名が通称になってます。アコーデオン式の搾り機のことです。
國香の搾りの風景のものが「槽(ふね)」です。
袋吊りは並べてある酒袋を紐で小さいタンクに渡した角材などに縛り付けてぶらさげるのです。
投稿: 煮酒 | 2006/10/03 17:23
並べてある酒袋=槽で並べてある
…槽に並べないで吊るす。
投稿: 煮酒 | 2006/10/03 17:24
ヤブタはここの製品です。
http://www.yabuta.co.jp/seihin_02.html
槽はイロイロありますが、槽用の圧搾機は「佐瀬式」が最も普及しています。
http://www7.ocn.ne.jp/~syouwakk/html/prod2.htm
袋吊りの実演。以下の2月28日の項をどうぞ。
http://eikun.fc2web.com/ginjou1.html
投稿: 目黒の清水 | 2006/10/03 18:01
《煮酒さん》
なるほど。ヤブタは「薮田」でメーカーなのですね。
一般の人が知らない分野で、こういったメーカーが貢献しているんですね〜。
ちなみに一台どのくらいのお値段なんでしょうね?
投稿: 地酒星人 | 2006/10/03 22:52
《目黒の清水さん》
勉強になります。ありがとうございます。
「佐瀬式」、字面だけは見た事があります(^^;)。
このような機械なのですね。
薮田=アコーディオン式
佐瀬=上下式
↑大雑把に分けると、こうでしょうか?
投稿: 地酒星人 | 2006/10/03 23:00
田从、何度か呑んだことがあります。しっかりした味わいのあるお酒を欲するときなど。
搾りの方式については蔵元もいろいろと考えているようで。ある蔵元では種類によってヤブタと圧搾を使い分けていると聞きました。
投稿: Hory | 2006/10/04 16:55
《Horyさん》
田从、しっかりした味ですよね〜。
やはり搾りのやり方によって、味が変わって来たりするんですかね〜。飲み比べてみたいものです。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/05 08:54
絞りのやり方によって味が変わるというよりも、槽を使って絞ると、おおむね
・荒走り(最初の白濁した部分)
・フリーラン(袋の自重だけで流出する部分)
・中汲み(圧搾機で押して出てくる部分)
・責め(袋を積みなおして徹底的に絞る部分)
の4段階に分けて酒を取ることができます。このうち最上の部分が「フリーラン」の部分です。ここを「中取り」と称している蔵もあります。
一方、ヤブタで絞ると、槽と違って細かく分けて取ることが困難です。全部が一緒になってしまいます。操作によっては、責めとそれ以外を分けることは可能ですが、フリーランの部分だけを取るのは困難です。
投稿: 森の石松 | 2006/10/05 09:20
>ヤブタ
ヤブタも段数が色々あり、また圧搾方法もピストン式かエア式かで異なりますが、基本的にお高いです。
ヤブタに限らず、マーケットが限定される商品なので、酒造関連の機器は高価です。熱交換式の火入れ機械でセルシオ買えますし、精米機なんてフェラーリ3台くらい買えます。
笑えるのは、同じ手動の洗米器が酒造用と給食用で値段が10倍くらい違うんです。だから、某お蔵さんは給食機材屋さんから、洗米器買っています。
投稿: papaci | 2006/10/05 10:47
《森の石松さん》
あ、中汲み=圧搾機で押して出てくる部分なんですか。
“中汲み”と“中取り”って同じ意味なのかと思っていました。
やはり中取り=フリーランの部分が一番安定していて旨いのでしょうね(←その酒にもよるのでしょうが)。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/05 12:33
《 papaciさん》
ヤブタ(薮田)の中にも、さらに2方式があると。
なるほど〜。
たしかに酒造専用の機械ですと販売数も限りがありますから、高価になるんでしょうね。
洗米機の話は面白いですね。機能が変わらないのであれば、真面目に酒造用を買った蔵がかわいそうですが・・・。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/05 12:38
ありゃ、PCに記憶させてる名前が違ってた。PCを複数使い分けているので混乱してますね、スイマセン。
いわゆる「アコーディオン式自動圧搾機」を最初に開発した人の名前を取って「ヤブタ」と総称していますが、類似商品は複数あります。どれも微妙に違います。お互いに特許に抵触しないように違いを持たせている訳ですが‥‥
んで、自動圧搾機を製造している会社の数だけ方式があります(笑) 薮田産業の他、こんなところが作ってます。
・NSK
http://www1.ocn.ne.jp/~nskeg/onp.htm
・昭和製作所
http://www7.ocn.ne.jp/~syouwakk/html/prod0.htm
ちなみに、「磯自慢」や「満寿泉」はNSKの特注品だという話です。酒に異臭が付かないように、パッキンをすべてシリコンゴムにしてもらったとか‥‥
投稿: 目黒の清水 | 2006/10/05 12:50
連投すいません。
酒造用精米機の価格ですが、新中野のNF-26A
http://www.jaja.co.jp/omia/shinnakano/main/nf26fa.html
が、機器本体・設置調整費用等々で一式約2,000万円だそうです。新中野にはより高級な NF-32(開運の土井酒造場で利用)がありまして、たぶんこれがpapaciさんの書かれた「フェラーリ3台くらい」ですかね(笑)
投稿: 目黒の清水 | 2006/10/05 13:00
《目黒の清水さん》
>酒に異臭が付かないように、パッキンをすべてシリコンゴムに
↑あぁ、磯自慢さんならやりそうですね。
地酒蔵って手造りのイメージが強いですが、設備投資も大変なんですね。
精米など外部発注しても、それなりの額はかかるでしょうしね〜。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/05 13:50
>地酒蔵って手造りのイメージが強いですが、設備投資も大変なんですね。
どこまでを手造りと言うかにもよりますが、今の時代、程度の差はありますが、機械使わない蔵なんてありませんよ。
>精米など外部発注しても、それなりの額はかかるでしょうしね〜。
金額はともかくとして、精米所にもピンからキリまであって、ひどい所は本当に指定した酒米を精米したのか分からないそうです。玄米ならまだしも、磨いてしまうと分からないそうです。
でも、自家精米できるお蔵は少ないから、信用のできる精米業者にお願いするしかないのだそうですよ~。
投稿: papaci | 2006/10/05 17:44
《papaciさん》
>機械使わない蔵なんてありませんよ。
↑そうなんでしょうね〜。蔵の経営も大変だと思います。
>ひどい所は本当に指定した酒米を精米したのか分からないそうです。
↑ゲゲ〜ッ!それはこわい。
たまに「ん?これが山田錦?」みたいな酒があったら疑わないといけないかもしれませんね(^^;)。
精米といえば、大七さんの“扁平精米”はスゴイと思いました。
投稿: 地酒星人 | 2006/10/05 17:51