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2006/05/08

口噛みの酒!

縄文時代の地図から現代の東京の各地域を読み解く「アースダイバー」という本にハマッている事は記事にしましたが、その縄文時代に人々がどのような酒を飲んでいたのかが気になります。

ネットで調べてみてわかったのは(そのサイトの情報が正しければですが)、現在の酒作りの原型となる蒸した米から造られる酒は奈良時代から始まったようですね。
という事は、縄文ではそれ以前の作り方という事になります。
古代には山ぶどうなどを発酵させて造った果実酒(ワインの原型でしょうか)を飲んでいたらしいですが、これだと造れる量が少ないらしいです。
縄文の頃は、いわゆる「口噛みの酒」を造っていたようですね。
これは木の実などを口中で噛み砕いて唾液と混じり合ったものを瓶(かめ)などに溜め、人の口内に棲む酵母の働きで発酵をさせたものらしいです。

これ、一体どんな味がしたんでしょうね。

やはり、“噛む”人によって味が違ったりするんでしょうか。
ぬか漬けなんかも、糠をかき回す人によって味が違うという話を聞いた事がありますので、“口噛み”ならば当然そういう事もあり得るでしょう。
やはり、そこにも“ブランド”というものが存在していたのかもしれません。

その集落の人気者の若い女の子の“口噛み酒”は、若い男子が奪い合いをしたとか・・・?

それで考えたんですが、現代の人気女性アイドルの“口噛み”したものを原料とする酒を出したら、さぞや売れるんではないかと・・・。
これって酒税法的にはどういうジャンルの酒になるのかわからないんですが、どこかで出してみたら面白いんじゃないですかね〜。

え?私ですか?
私は別に・・・飲みたいとは思いませんね〜。
でも、どうしてもって言うんなら、そうですね〜、綾瀬はるかちゃんのだったら良いかな〜♪(大爆)

Jomondoki_1

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コメント

東京農大の中里先生が大真面目に口噛み酒の研究をしています。その論文を要約すると、

(1) 唾液中の酵素の作用でデンプンを糖に変え、空気中を浮遊している酵母が取り付いてアルコールを出す。

(2) アルコールは最高で5%強(もろみ日数36日)、多くは2%程度で(15日~30日程度)、酒というよりは甘酒に近い。

(3) 実験サンプルの 1/4 はアルコールの生成が非常に少ない(1%未満)。その場合は乳酸菌のほうが酵母よりも優勢で、糖がアルコールではなく、乳酸になっている。

(4) 唾液中の酵母は非常に少なく、乳酸菌のほうが圧倒的に多い。これには個人差はあまりない

という訳で、私の解釈では、個人差があるとすれば、唾液の成分ではなく、噛み方や唾液分泌量の差のほうが大きいようです。

なお、中里先生は結論として

“口噛み酒は3~4日目に飲用したと伝えられているが、そうだとすればアルコールをほとんど含まない甘酒である。常識をうたがってもう少し研究が必要と思う。”

と書いています。

ロマンをぶち壊すようで申し訳ないですが、口噛み酒は我々の持つ“酒”のイメージとはかなり違うものだったようですね。

投稿: 目黒の清水 | 2006/05/09 00:01

以前、知り合いの方が「ペヨンジュンの唾液で酒を作り、ヨン様の雫酒とかいう名前で酒を販売すれば、ヨン様ファンのおばちゃんの間でバカ売れするんじゃないか。」とか言ってたのを思い出しました。

投稿: れも | 2006/05/09 00:54

《目黒の清水さん》
ほ〜、本格的に研究されている先生がいらっしゃるんですね。
しかし、そんなにアルコール度数の低いものを飲んでいたんでしょうか。
それでも、その時代には価値あるものだったんでしょうね。

>常識をうたがってもう少し研究が必要と思う。
さらなる研究に期待をしたいと思います。


《れもさん》
ウゲゲッ!!
でも、ヨン様好きのおばさま方にとっては、目がハートマークになる提案でしょうか。

投稿: 地酒星人 | 2006/05/09 06:16

>唾液中の酵素の作用でデンプンを糖に変え

現在の日本酒にとっての「麹」にあたるものがヒトの唾液だった、ということなんでしょうね。
糖分のある果実はそのまま酵母のエサになるけど、デンプン質がおおい穀類なんかの場合だとまず糖化が必要なわけですから。
祭礼用には口噛み酒ってのはわりと最近まで作られてたらしいですよ。何かで読んだけど、やっぱり「清純な乙女」が口をよく清めてから行ったらしいです。でも、すっごく疲れて大変だったみたい。

投稿: ろーじー | 2006/05/09 08:02

おお〜、やはり清純な乙女ですか。
その頃の酒は祭礼などに使われたらしいですから、“巫女”の起源などもそんなところから来ているのかもしれませんね。
しかし、量によってはもの凄く疲れそうですよね。顎が痛くなりそう。

投稿: 地酒星人 | 2006/05/09 08:44

 今でも、アフリカ等の部族では祭礼用に造っているようです。

 夢を壊すようで申し訳ないのですが、大体が部族の巫女が杜氏?になりますが、巫女は通常お婆ちゃんです。

 梅干口で噛んでは吐き・・・を繰り返して造りますが、その部族に取っては最高に貴重な物ですので、振る舞われたら飲まなくてはなりません。

 ではでは・・・。

投稿: papaci | 2006/05/09 09:14

なるほど〜。お婆ちゃんですか・・・(- _ -;)
でも、ぬか漬けをうまく漬けるのもお婆ちゃんが多いですから、案外すごくおいしいかもしれませんね(^^;)

投稿: 地酒星人 | 2006/05/09 13:14

口噛み酒ですか!すっごい興味深い話です!目黒の清水さんありがとう!
で この話で思い出したのが…「はじめ人間ギャートルス」の猿酒。。。
あの酒も口噛み酒でしたねぇ(年齢ばれますね)
アニメ見ながら「うまいのかなぁ~」とか思っていました
猿酒バーのシェイカー(猿)にもランクがあったなぁ
美人猿の噛む酒は高かった…
奥多摩の御嶽山で「猿酒」を飲ませてくれる宿があります
口噛みかどうか判りませんが「酒」してました 

投稿: キキ☆ | 2006/05/10 10:19

ホントに目黒の清水さんの知識ってスゴイですよね!
いつも様々な疑問を解消していただき、感謝です。

「はじめ人間ギャートルス」、私もなんとなく見てはおりましたが、口噛み酒とか出て来てましたっけ?
やはり美人猿の噛む酒が人気あるんですね(笑)。

奥多摩の「猿酒」、どういう成り立ちの酒なんでしょうね。

投稿: 地酒星人 | 2006/05/10 12:21

ほんじゃ、わっしも一発。清酒には詳しくないのですが、ビールの仕事でちょっと調べたことを・・

●食物の発酵→酒
食物を発酵させてお酒を作るには、アルコール発酵させる酵母が必要です。目黒の清水さんが書かれているように、乳酸菌ではアルコールができずだめ。イースト菌などの菌が必要です。

●酵母菌の食べ物
酵母は「糖」を食べて、アルコールを発生させます。だから大雑把にいうと、「食物」→「糖化」→「酵母によるアルコール発酵」でお酒ができます。

●果実酒はかんたん
葡萄などの果物は、始めから酵母がついていて、しかも糖分がたくさん含まれているので、これまた大雑把にいうと、ほっとくだけで酒になります。これが「猿酒」ですねー。猿が食べ物をキープしといたら、酒になったというわけです。

●米は発酵させにくい
しかし、米はでんぷんがいっぱいですが糖化してないので人間が噛んだ。これが「糖化」です。で、自然に酵母も空気中にあるものが取り付くのを待ってることになる。取り付くのが酵母じゃなかったら酒にならないということになります。しかし、時々いい感じの酵母が住み着いてる小屋があったりします。自然発酵でもお酒ができる小屋(ほら穴?)を持ってる古代人もいたのです。「口噛み」の時代でも、いい蔵とそうでない蔵があったはずということらしいです。

長くてすんません。

投稿: フットゴリ | 2006/05/10 14:54

「はじめ人間ギャートルス」の猿酒は米でなく葡萄・林檎・バナナなどの果物を猿に噛ませ
吐き出させたものがお酒になっていました
実にゴンのお父ちゃんが美味そうに呑んでいたなぁ
マンモスの輪切り肉の次に味わってみたいものでしたョ
♪フットゴリさん
フットゴリさんが書いてくださった「猿酒」が私の飲んだ奥多摩の猿酒ですね
今度蔵元主催りイベントで日本酒で梅酒を作ってきます・・・
これはこのテーマには関係ないかwww

投稿: キキ☆今日は定休日 | 2006/05/10 18:02

《フットゴリさん》
これはまた詳しい解説をありがとうございます。
そうですか、やはり場所によって味が変わっていた可能性が大なのですね。
いわゆる“蔵付き酵母”というヤツですね。
なんかだんだん飲んでみたくなるから不思議ですね。


《キキ☆さん》
人ではなくて猿に噛ませるんですか〜。
なんだろう、猿の唾液の方が発酵が進むのかな?
梅酒作り、がんばってください(^^)/

投稿: 地酒星人 | 2006/05/11 01:56

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