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2006/05/28

地酒星人的思ひ出(その2)

子供の頃、月に一回ほど家にたくさんの大人が集まる日があった。
なにやら皆でいろいろな話をしているのだが、その場には子供は立ち入り厳禁である。
楽しかったのは大人達が帰った後だ。
席に出されていた茶菓子の残りが食べ放題だし、たくさんの座布団がそのまま残されていて、妹と二人、その上をぴょんぴょん飛んで遊んだりしたものだ。
自分には関係ないとしても、たくさんの人が家に集まるというのは、子供心にも高揚感があるものだったのだろう・・・。

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その集まりは「ムジン」と呼ばれていた。
長じてから、その言葉には「無尽」という漢字を当てはめる事を知った。
庶民の間で行われていた金融の一形態のようだ。
近所の皆が集まり、お金を出し合ってその時に融資が必要な人に貸し出す仕組みだ(地方・時代によって様々な形態が有ったようだ)。
昔は一庶民が銀行から融資を受ける事など少なかった為、こういう形でお金のやり繰りをしたのだろう。
社交的な性格だった祖母はよく集まりの場として、我が家を提供していたようだ。

“無尽”の場合、貸す側、返す側が同じ町内で生活しているのだから、当然皆に懐事情を知られている。利息も払わず勝手な暮らしをするのは許されないだろう。
たしかに窮屈な暮らしであるかもしれないが、破綻を防ぐ役割も果たしていたと言えるかもしれない。

・・・翻って今の日本。
テレビなどでも様々な金融の勧誘広告にあふれているし、誰に見られるわけでも、とがめられる事もなく金を借りる事が可能だ。
そして増え続ける破綻者。日本の社会は変質したのだろうか・・・。

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コメント

金融(利殖)関係の無差別な電話勧誘には、困ります。集中して仕事しているときなど、ほんとに迷惑ですね。
消費者金融(サラ金)のワンパターンなCMもつまらないです。ブロックしたいなあ。

投稿: おっかん | 2006/05/29 01:13

↑わっしは、商品先物の業者に電話勧誘なのに「男だろ、どーんと来い弱虫!ぐずぐずするな!生命保険を解約してタネ銭作るんだよこらー!」と怒られたことがあります。

ムジン、実におもしろい!
それは地域の一般家庭の間でも行われていたのでしょうか?商売を営む家どうしの地域商工会のようなものなのでしょうか?いずれにしてもすばらし い!江戸時代の長屋システムのなごりでしょうか。生まれて初めて聞きました。

投稿: フットゴリ | 2006/05/29 01:56

《おっかんさん》
消費者金融、ホントにこの頃の出稿量はスゴイですよね。
Jリーグのスポンサーにまでなってしまって・・・
↑これってどうなのか???


《フットゴリさん》
我が家での無尽、既に祖母が故人となっていますので、詳しい仕組みはわからないのです・・・。
近所なら誰でもという事ではもちろんなかったと思います。
集まった大人の顔ぶれとして、知っている顔も有ったし初めて見る人も居たと思いますので、地域商工会的なものであった可能性は高いかもしれません。

投稿: 地酒星人 | 2006/05/29 06:03

>たくさんの座布団がそのまま残されていて、妹と二人、その上をぴょんぴょん飛んで遊んだりしたものだ。

すごく、わかります!!その感覚!!
ほんま、子供にとっては、例え、法事でも、人の集まりはお祭りなんですよね。(実際、そんな諺?もあるようです)

>近所の皆が集まり、お金を出し合ってその時に融資が必要な人に貸し出す仕組みだ

へぇ~、古き良き時代の・・・って感じがしますね。私が子供の頃には、周りにそんなシステムは存在していなかったと思いますが・・・。

なんにしても、いい時代だったんですよね。多少のプライバシーは損なわれますが・・・。


投稿: はんな | 2006/05/29 10:55

お恥ずかしながら、無尽って知りませんでした。
民間でやっていたんですね、昔は。
貸す側も借りる側も「助け合い」みたいな感覚だったのでしょうね。
私の祖父も大昔は「総会屋」と呼ばれる職業だったらしいですが
その大昔にあっては今とは全然違って感謝される職業だったらしいです。
それに比べて、何かが歪んでしまっている現代社会ってやつでしょうか・・・。

投稿: まき子 | 2006/05/29 13:04

無尽が今や無人君にとって代わられましたね。

投稿: 煮酒 | 2006/05/29 13:08

《はんなさん》
座布団飛び、楽しかったのをこの年になっても憶えています。

ウチの祖母が元気だった頃は盛んに集まっていましたが、ウチの両親の代になってからは無くなりましたね。
他でもお金を借りたり出来るようになったからでしょうか。


《まき子さん》
へ〜、「総会屋」というとダークなイメージが有りますが、今とは役割が違ったんでしょうか。
興味あります。


《煮酒さん》
キレイにはまりましたね!(^^)
実は“無尽”を意識していたりして(そんなワケないか)。

投稿: 地酒星人 | 2006/05/29 16:10

 >無尽

 知らなかったです。古き良き時代の香りがします。

 現代でも華僑さんに似たシステムがあるようです。

投稿: papaci | 2006/05/29 18:26

北海道の開拓農家でも、共同で資金を借りたり、経営不振の農家に融資したりということがあったようです。昔は助け合わなければ暮らしていけなかった時代なのですよね・・・
僕の実家も人が集まる家だったので、同じことをして遊んで怒られていました。とにかく大人の話し合いに子供は絶対入れませんでしたね。
今、問題の村上さんみたいなボンボンがお金を簡単に操って周りを翻弄している。星野さんじゃないけど、いつか「天罰が下る」と思えてならないです。

投稿: salmon | 2006/05/29 19:46

『ムジン』…ワシが幼少の頃、ウチでもやってたことがありました。
でも、バアさん達がドンチャン騒ぎをするだけの集会だとばかり思っておりましたです。

あの集いには、そんな重要な意味があったんですね~

投稿: ハナマルユキ | 2006/05/29 20:31

《papaciさん》
昔の人の知恵なのでしょうね。
現代でもいろいろ残っているようですね。


《 salmonさん》
>昔は助け合わなければ暮らしていけなかった時代なのですよね・・・

本当にそうだったんでしょうね。
祖父母の時代の人間関係は、濃密だったと思います。
基本的に国を頼る気持ちは薄くて、肉親と周囲の人々との関係がすべてだったんですね。


《ハナマルユキさん》
>ウチでもやってたことがありました。

あ、そうですか〜。
「ムジン」という言葉の意味を知ったのは随分後になってからなので、私もただの仲良しの集まりにしか思っていませんでした(^^;)

投稿: 地酒星人 | 2006/05/30 08:16

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