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2005/09/09

各駅停車の旅2《諏訪湖花火でズブ濡れ編》

さあ、やって来ました信州・上諏訪駅。
masumi1今日は諏訪湖上で行われる新作花火大会の日。さすがに駅前の混雑は激しいものがある。
観光案内所で酒蔵の場所を聞き、照りつける日差しの中を歩き出す。
ここ上諏訪はいくつもの酒蔵が固まって存在している土地。歩いて6〜7分で始めの酒蔵「舞姫酒造」が見えて来るが、ここはひとつ一番遠い「真澄」から攻めてみよう。
(だって酒瓶持って歩くのってつらいんだもん。)


真澄
を醸す宮坂醸造。7号酵母発祥の蔵。
真澄は専門の直売所が有り、センスの良い高級感ある作り。

masumi2

店内。ボリュームは小さいが、ジャズが流れている。

300円のグラスを購入して、いくつかの酒を試飲出来る仕組みのようだ。
なかなかしっかりした作りのグラスで、この後の旅で活躍した。

masumi3

試飲酒の並ぶテーブル。

地酒星人、ひと通り酒を見回した後、おもむろに「七號」を試飲。
やはり旨いっす。他に吟醸生酒や純米吟醸を利くも、やはり別格。夢殿が出ていなかったのは残念。蔵の方に真澄さんは七号酵母を中心に使われているんですか?と訪ねると、そんな事はないとの事。
山花は9号、夢殿は様々な酵母を使い分けているらしい。

さてさて、お次は麗人

reijin

暖簾をくぐるといきなり倉庫然としていて躊躇するが、左の方に小ぢんまりとした販売スペースが有るのを発見。声をかけると蔵元の若奥様らしき、文字通りの“麗人”が現れる。
ここでは純米大吟醸の小瓶と、ここ麗人酒造で造られている地ビールの「諏訪浪漫」くろゆり(黒ビール)を購入。

reijinbag

こんな袋に入れてくれました。

suwaroman

これが諏訪浪漫。(諏訪湖畔にて)

ふと見ると、街道脇におもむきのある古神社を発見。
本殿の脇に「八剣」と記してあるこも被りが。おお、諏訪にはこんな酒もあるのか、と思いつつ再びメインストリートへ。

次に来たのは「横笛」。

yokobue

最近出来たとおぼしき小綺麗な展示・販売スペースがあった。
いろいろ酒を見せてもらっている内に、先程の「八剣(ヤツルギと読む)」を発見。この横笛が造っていた酒だったのですね。これも何かの縁と思い、300ml瓶をいただいた。

yaturugi

横笛の「八剣」。

そして最後に再びの舞姫

maihime

ここでも専売スペースにて各種酒を利き酒出来る。
maihime2純米吟醸のひやおろしはさすがの旨さ。東京に帰ったら買おうと決意。そして絶品だったのが、純米の拾年古酒。こんなに旨い古酒は初めて呑んだ。この店と通販でしか購入する事が出来ないらしい。
値段の事と荷物の事を考えてマイヒメカップを1本購入。翠露のファンである事を告げて、店を後にした。

ここで酒蔵巡りを終えて、花火大会の行われる諏訪湖畔へ移動する。
まだ陽も高いのに、たいへんな人出。しかし打ち上げまではまだ3時間近く有る為、高名な片倉館の千人風呂にでも入ろうと思い、湖畔を移動。しかし、何かの都合か休館となっていた。
仕方がないので、片倉館の庭にある噴水の縁に腰掛け、マイヒメカップを呑む事に。

maihimecup

舞姫らしく控えめで上品な味だが、ホロホロと甘く、口中を滑るように消えて行く。
昨夜の睡眠不足もあって、すぐに酔いがまわり陶然とした感に。
庭に咲く様々な花と、その花に次々とやって来る虫たち。営々としたその作業を酔ったまなこで呆然と眺めていると、なんとも不思議な雰囲気に。

悠然と
  ほろ酔へば
     雑草そよぐ

種田山頭火の句が頭をよぎる。
こんな感覚は今までに感じた事がなかった。なにか不思議と幸せな気分。
自然に接しながら呑む酒は、家や居酒屋では感じ取れない何か別な神経を酔わせるようだ。
1時間ほどもそうしていただろうか?
小腹がすいて来たので、湖畔に戻り露店でピザやシュウマイを買って、再び片倉館の庭へ。
シュウマイは大ぶりなものが6つ。これだけでかなり満腹になった。
だんだん空が暗くなり、打ち上げまで1時間くらいに迫った頃、雨がポツリポツリと落ちて来た。空には晴れているところも有るので、天気雨と思っていたら、次第に強降りに。慌てて片倉館の庇の張り出した部分に避難。
こりゃあ、花火の観覧席に居る人達は堪らないだろう。やがて稲妻も走り出す。
同じように避難して来た人達と一緒に空を見上げるも、依然として雨勢に衰えは無い。
やがて大会決行を告げるアナウンスが流れ、最初の花火が打ち上がった。

suwahanabi

片倉館越しの花火。雨滴がカメラに降り掛かる。

強い雨に打たれながら、思わず庭の中央に走り出て空を見上げる。
新作花火の大会らしく、変わり花火のオンパレードである。
一発の花火が、何度にもわたって破裂するものや、輝きが1分にもわたって持続するもの。宙空で細かく霧状に変化するものなど、日本の花火技術の凄まじさが味わえる。
しかし、稲妻も負けてはいない。
花火が一発炸裂すると、天からも稲光が襲って来る。花火の爆発音と稲妻の雷鳴。
吹きすさぶ雨に全身はびしょ濡れである。

しばらく空に見とれている内に、不安感が増して来た。
急に思い立った旅行のために、今晩の上諏訪では宿がとれていない。今日中にどこかへ移動する必要があるのだ。その宿は甲府に取っていたのだが、この降雨で電車が止まる可能性が頭をもたげて来た。
さらに大会終了後の上諏訪駅の混雑も情報として持っていた為、途中離脱して駅に向かう事にした。
やはり地方での花火大会は良い。高いビルが少なく、さらに花火の玉も大きい為に駅周辺でもかなり堪能する事が出来る。
タイミング良くホームに滑り込んで来た中央本線に乗り込み、なんとか今晩の宿のある甲府に向けて移動する事が出来た。

《明日につづく!》

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コメント

雨の中の花火大会、大変でしたね〜しかし稲妻と花火のコラボレートって凄そう!
「諏訪浪漫」の袋、気が利いていて、夏場持ち歩くのに便利そうです〜

投稿: 酔ゐどれ | 2005/09/09 08:13

片倉館に入れなかったんですか・・・、残念でしたね。
でも、お酒と花火を堪能して頂いたみたいで何よりです。
地方花火のいい所は、音が周囲の山に反響して大迫力になる事です。もちろん、ビルがなく、明かりも少なく見易い事もあります。

>純米吟醸のひやおろしはさすがの旨さ。
昨日、酒屋さんを覗いたのですが、まだ「ひやおろし」は出ていませんでした。私も、買おうと思います。
>絶品だったのが、純米の拾年古酒。こんなに旨い古酒は初めて呑んだ。
そんなに旨いんですか?飲んでみたいなぁ~。HPを見たら、「舞姫大吟醸5年古酒」もありますねぇ。迷います。

投稿: 山輝亭 | 2005/09/09 08:14

《 酔ゐどれさん 》
>稲妻と花火のコラボレートって凄そう!
ええ、文字通り全身で(苦笑)堪能いたしました。

>諏訪浪漫」の袋、気が利いていて、夏場持ち歩くのに便利そうです〜
はい。しっかり持ち帰っていまして、今後利用させてもらおうと思っています(^^)。


《 山輝亭さん 》
>音が周囲の山に反響して大迫力になる事です。
あ、それは感じました。腹にズン!と響く印象ですね。

舞姫の古酒は旨かったですよ〜。
但し、熟成香は強めにあります。ありますが、旨味もそれに比例してたっぷりと有る感じなんです。いつか購入したいと思っています。

投稿: 地酒星人 | 2005/09/09 11:45

地酒星人さん、はじめまして。
『日本酒革命』っていうブログを書いているものです。
地酒星人さんのブログ拝見させていただきました☆
スゴイ飲酒・取材量ですね!!
ぼくも、地酒星人さんのようなブログを目標に頑張っていこうと思います。
またよかったら、情報交換してくださいね☆

投稿: tam817(日本酒革命) | 2005/09/09 12:25

5年まえくらいに真澄の蔵に行きました。
でも車だったから試飲せず・・
当時はそれほど日本酒に興味がなかったので、銘柄は忘れたけど、結構高いお酒をここで購入して、父に土産としてあげたのでした。
今思うと悔しい!自分で飲みたかったです(涙)
でもいいな~、自然に山頭火の句がでてくるという心情。素敵です。

投稿: あっき | 2005/09/09 12:56

びっくりびっくりです!!
ちょうど同じ日に、私も甲府に泊まっていましたよ!!
ぶどう狩りに行く前日で、車で中央高速道路を走っていきました。
途中のSAで浴衣を着た女の子がいたから、何があるんだろう~?と、地酒星人さんが言ってた諏訪湖花火を思い出しました。
私はワイナリー巡りをしていましたよ。

投稿: まき子 | 2005/09/09 13:30

《 tam817さん 》
はじめまして〜。コメントありがとうございます。

>スゴイ飲酒・取材量ですね!!
いや〜、まだまだですよ。もっと凄い人はたくさん居ます。

>またよかったら、情報交換してくださいね☆
こちらこそ!tam817さんのように若い方が日本酒に興味を持たれるのは良い事ですね。応援しますよ。頑張れ、青年!


《 あっきさん 》
>当時はそれほど日本酒に興味がなかったので、
私も実は日本酒にはまってそんなにたっていないのです。なので、あっきさんのように、結構悔しい思いをしています。

>自然に山頭火の句がでてくるという心情。
なんか不思議な感じでした〜。カップ酒だけでトリップしてしまいました。
なにか入っていたんでしょうか?(冗談です)

投稿: 地酒星人 | 2005/09/09 13:32

《 まき子さん 》
本当ですか!? 奇遇ですね〜。
私が泊まったビジネスホテルは、まあ、値段なりのところでした(・・;)。
私は酒蔵巡り、まき子さんはワイナリー巡りをしていたんですね〜。
ワイナリー巡りはブログでレポートしてもらえますか?

投稿: 地酒星人 | 2005/09/09 13:41

すっごい楽しそうですね。まったく同じルートを僕も回ってみたいです。個人的には、舞姫の古酒が気になります。が、この記事の中で最高の贅沢だなぁと思ったのは、やはりマイヒメカップを外で飲まれている瞬間でしょうか。ああいう時間って、何にも代え難いですよね。

投稿: あつし | 2005/09/09 19:30

>まったく同じルートを僕も回ってみたいです。
酒好きならば、なかなか楽しめるルートではないでしょうか。是非に!

>最高の贅沢だなぁと思ったのは、やはりマイヒメカップを外で飲まれている瞬間でしょうか。
なんか後々まで想い出に残るシーンのような気がしています。

投稿: 地酒星人 | 2005/09/09 22:19

諏訪の花火←!!雷雨。片倉館←?休館。台風接近!!!(T.T)...勧めた手前、天候等・・・心配してましたが、それらのアクシデントもまた楽しんだ?ようで安心しました!
また天候のいいときに是非、諏訪の花火(←お盆は4万発です!!ナイアガラは2km!!)片倉館の”立って入る温泉”・・・と、体験して欲しいものです。観光荘のうなぎ、絶品だよ!!!

投稿: 市っ子 | 2005/09/09 22:33

>観光荘のうなぎ、絶品だよ!!
お・お・お! またも新情報が!
どこですか、それはっ!
やはり諏訪は再度行かなければならない土地のようだ。

投稿: 地酒星人 | 2005/09/09 22:50

花や虫を眺めながらのほろ酔い気分。花火と雷雨のコラボレーション。なんてすてきな夏休みの1日なんだろう(^-^)!!私は東北の酒蔵は何件か見てますが、もっといろいろな所にぶらりと行ってみたくなりました!

投稿: えぬこ | 2005/09/10 10:19

>なんてすてきな夏休みの1日なんだろう(^-^)!!
ありがとうございます。しかし、雷雨に関してはズブ濡れになりましたし、かなり苦労しました(苦笑)。

>もっといろいろな所にぶらりと行ってみたくなりました!
日本にはまだまだ自分の知らない物や土地があるなあ、と再確認した旅でした。えぬこさんも、是非ぶらりとお出かけください(^^)。

投稿: 地酒星人 | 2005/09/10 11:26

とうとう諏訪街道に行ってまいりました!
でも、地酒星人さんはもっと沢山廻れたんですね~。
私は4つしか行けませんでした。
でもちゃんと整備されててビックリです。

投稿: まき子 | 2006/02/07 11:30

おお〜、ついに行ったんですね〜。
酒造りの時期に行くと、しぼりたてなどが味わえるので良いですよね〜。
あ、そうか本金さんに行ってないのかな?
あそこは見逃しやすいんですよ〜。

投稿: 地酒星人 | 2006/02/07 11:53

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