常野の一族!
萩尾望都さんの「ポーの一族」が終了してから30年弱(もうそんなに経っているんだ!と愕然)。
見つけましたよ、見つけたよ。
「ポーの一族」に雰囲気・設定が限りなく近い小説。
それは、恩田陸の「常野(とこの)」シリーズ。
東北のある地方に、特別な能力を持つ常野(とこの)という人々が住んでいる。彼らは何百年も生きていたり、予知能力や凄まじい記憶能力を持っている。しかし、それらを社会の表舞台では使わず、ひっそりと暮らしているのだ。
吸血鬼(ポーの一族)と常野一族の基本設定は違えど、かなりの部分で通底している。やがて「常野」の人間に興味を持つ者が現れ、彼らの存在を追って行くところも、「ポー」のジョン・オービンを彷彿とさせて思わずにやけてしまう。
似ていて悪いといっているのではない。30年前に途切れてしまっている「ポーなるもの」への興奮と憧憬を再現してくれた事への感謝の念さえ持っている。
恩田陸がどういう人かはまったく知らないが、これは彼女の「ポーの一族」へのオマージュに違いない。絶対そうだ。
常野の様々な人を描いた短編集である「光の帝国・常野物語」の後、最近上梓されたのが「蒲公英草紙」である。これは明治時代の東北のある村を舞台にした長編である。この蒲公英草紙には、少女マンガのエッセンスがふんだんに盛り込まれている。単体で見ると少女趣味になり過ぎている気がして「光の帝国」のようなハードなタッチや怖さが少なく多少物足りない。
それでも、今後も続くであろう壮大な常野物語の一編としてならば、もちろん“アリ”だと思う。
早く「常野」の次を読んでみたい。
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コメント
もう千葉のご実家から戻られたのですか?!
近いとUターンラッシュとかを気にしなくて良いのが楽ですよねー。
ポーの一族ってそんな前でしたっけ?!
私が読んだのは結構昔で、まだ子供だったから
あまり記憶に残ってないですが
面白かったー!という気持ちだけは覚えてます。
投稿: まき子 | 2005/08/14 14:44
>もう千葉のご実家から戻られたのですか?!
いやいや、つい先ほど戻ってまいりました。ココログにはアップの日時指定が出来る機能がありますので、この「常野一族」は、それを利用いたしました(たまにアップされない事があるので心配なのですが・・・)。
たしかに四谷と千葉は総武線一本なのでラクですが。
>面白かったー!という気持ちだけは覚えてます。
今読み返しても十分面白いと思いますよ〜。是非!!
投稿: 地酒星人 | 2005/08/14 19:58
>東北のある地方に、特別な能力を持つ常野(とこの)という人々が住んでいる〜
東北出身の私としてはとても興味をそそる内容です〜本も映画も”謎”めいているものが好きなので、読むとはまりそうです〜
投稿: 酔ゐどれ | 2005/08/14 20:52
>”謎”めいているものが好きなので、
酔ゐどれさん、是非読んではまってください。なかなかに楽しめると思いますよ。
まだシリーズとして2冊しかありませんので、“ポー”のような厚みはありませんけれど。
投稿: 地酒星人 | 2005/08/14 22:11
TBありがとうとざいます。
ポーの一族を読んだのはずいぶん昔なので、内容は忘れてしまったのですが、これを読んでポーの一族だ!と唐突に思ってしまいました。
これはまだまだ予告編のような気もするので、これからどんな世界が展開されるのか楽しみです。
ところで、日本酒好き、新撰組好きというところに、激しく反応してしまいました(笑)。
今は竜馬も飲んだ?といわれる酔鯨を好んでます。
投稿: june | 2005/08/15 23:11
juneさん、初めまして。コメントありがとうございます。
>これからどんな世界が展開されるのか楽しみです。
まさかこれで終わりという事は無いと思いますので、今後が楽しみですよね。
>日本酒好き、新撰組好きというところに、激しく反応してしまいました(笑)。
是非ごひいきに。
>今は竜馬も飲んだ?といわれる酔鯨を好んでます。
「竜馬がゆく」では、たしか司牡丹を飲んでいますね(^^)。
ちなみに漫画家の黒鉄ヒロシさんの実家が司牡丹の蔵元で、おばあさん(ひいおばあさん?)が小さい頃に竜馬に会った事があったらしいです。
投稿: 地酒星人 | 2005/08/16 07:44