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2005/04/20

気管支ぜんそくの夜に…

地酒星人は幼い頃から気管支ぜんそくなのであった。
一才の頃には発病し数日入院していたそうだし(さすがに記憶には無い)、物心がついてからは、夜中に何度呼吸が苦しくなり目覚めたかわからない。
高校時代くらいからは大分症状は軽くなって来たのだが、社会人になってから10年を過ぎた頃に咳が頻繁に出るようになり、やがて症状が復活するようになった。
子供の頃から何故か自分が気管支ぜんそくである事が恥ずかしく、出来るだけ他人に言うのを控えていた。それがどうにも仕事に支障が出るほどとなり、恥を忍んで新宿のクリニックへ行ったのだった。女医に言った。「ぜんそくを直してください。」

子供の頃は基本的に対症療法しかなかった治療法が、気管支の炎症を押さえる抗アレルギー治療に変わっていて驚いた。一日に2回、炎症を鎮める吸入薬を吸い込む。これを毎日毎日続ける事で慢性的に気管支に炎症の無い状態を作り、やがて吸入をやめても炎症がおこらないようになるという。この毎日というのがクセ者で、何にも症状が無いとつい忘れてしまうのだが、基本的には今も吸入をせっせと続けている。
ぜんそくの起きた夜というのは孤独でつらいもので、ベッドの上か机の前で正座に近い状態になったまま(苦しくて体を傾けられない)、夜が明けるのをひたすら待つのである。体はじっとしているのに、自分の心臓だけが長距離マラソンをしているかのようなのだ。不思議だが日が昇り始めると徐々に呼吸が楽になって行き、完全に夜が明けるとようやく横になれるのが常だった。

「31歳ガン漂流」のフリーライター奥山貴宏氏が17日、肺ガンで亡くなった。ネット上の彼の闘病日記を読んでいると、夜明けを待ちながらひとり部屋で姿勢を正していた頃の記憶が蘇ったものだ…。
若く逝った魂はしかし3冊の著作をこの世に残した。
いつまで生きられるかわからないが、表現者の端くれとして自分もこの世になにかを残す事が出来るだろうか?

慎んでご冥福をお祈りいたします。

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